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Posted by naturum at

2013年09月30日

自然塾7回目(タンナカ高原)

秋のさわやかな空が一面に拡がるとてもいい天候に恵まれて、自然塾第7回目をタンナカ高原で実施しました。昨年,予定していた、タンナカ高原での自然塾は強風に襲われて、危険回避のためにやむなく中止したのですが、今年はまったく雨の心配もなく、無事に終えることができました。



今日の講師は、八賀さんです。・・・といっても馴染みが無いと思いますが、昨年まで毎年キノコの講座でお世話になっていた、細洞さんです。今年、結婚されて名字が変わりましたが、幸せ太りなのか少しぽっちゃりした体型に感じたのは私だけでしょうか?



今日は,分解者としてのキノコの役割について研修するのが目的です。タンナカ高原の散策路を歩いていると、イグチを見つけることができました。食用になるキノコですが、飛騨地方や富山県ではあまり好んで食べるキノコではありません。



キノコのような分解者(菌類)がいないと、森の中は落ち葉や,動物の遺体などで足を踏み入れることすら出来ない状態になりそうですが、分解者としての菌類が活躍することで森の中は、気持ちよく散策できるようになっているのですね。

菌根菌と腐朽(腐生)菌の違いについても八賀さんは説明をしています。今日は15名の参加者でしたが、熱心にメモを取り集中していらっしゃいました。



今年は、例年よりも早くキノコ講座を開いたので、それほどキノコの種類が多くないと見込んで、樹木や草本についても解説しながら散策しました。

途中にあった、ヤマボウシですが、実が熟して食べ頃の色合いになっています。一つ二つ摘んで口に入れると,ほのかに甘いペースト状の実が口中に拡がります。果糖の甘さだと思いますが、自然の恵みを楽しむには秋は最適の季節ですね。

春は旺盛な生命力を体内に取り入れる野草の天ぷら、そして秋には成熟して一年の集大成の結果、結実した実を味わう・・・春とは違って、植物が作り出した恵みをいただくという、厳かな気持ちにもなりますね。

昼食を高原の中にある東屋でいただき、食後は東屋周辺の森の中をグループに分かれて、自由散策の時間としました。1時間30分という時間を決めて、キノコの採取に出かけたのですが、以下の写真は今日摘んだキノコの一部です。



【ヤマブシタケ】:サンゴハリタケ科 山伏が衣の上に着る篠懸衣の胸に付ける飾りに似ているところから付いた名前。
さっとゆでて酢の物や刺身風にわさび醤油で味わう。 乾燥して使う場合もある。



【アシグロタケ】:タコウキン科 世界的に分布している。 美味しい出汁が取れるキノコ

 

【ナメコ】:モエギタケ科 スーパー等でもおなじみのキノコ、天然のナメコを今日は取りました。ぬめりのある食べ物が好きな日本人にはとても人気の高いキノコ。
まだ発生したばかりなのか、小ぶりのナメコばかりですが、だからこそ美味しいと思いますよ!



【ヌメリツバタケモドキ】:キシメジ科 ひだに著しいシワがあり、柄に膜質のつばを持つ。日本特産でブナに発生する。 
さっと湯がいて、白密をかけてデザートにどうぞ・・・



【ツキヨタケ】:キシメジ科 最も有名な毒キノコ!外観はシイタケ、ムキタケ、ヒラタケによく似ているので、それらのキノコと間違えて食べ、中毒を起こす。日本では最も中毒例の多いキノコ。嘔吐・腹痛・頻繁な下痢をおこし,幻覚を見る場合もある。

写真でも,とても美味しそうに見えますが、今日の森の中にはとても多かったのがツキヨタケでした。



キノコの世界は摩訶不思議な世界・・・図鑑に載っている写真とは違っている事も多く、同定が難しいのもキノコです。八賀さんが最後に図鑑の使い方や、キノコ採取の心得なども話して今日の自然塾を終わりました。



今日のまとめ
 キノコを採取するときの注意
  ①キノコが何から生えているかを見る。(枯木・倒木・地面から1本だけまたは束になって生えているか)
  ②キノコが生えている周りの環境を見る(森林内か森林がない場所でも、ミズゴケや糞などいろんな場所に生える)
  ③採取するときはキノコの根本まで注意する。(ツボがあるか、根本に虫が付いていないか?)
  ④採った後の後始末はきっちりすること(穴を埋める、菌糸を痛めない)
  ⑤必要以上に採らない、謙虚な気持ちで採取する。

 キノコの中毒をなくすための注意点
  ①名前の判らないキノコは食べない
  ②少しでも不安のある時は食べない
  ③状態の悪いキノコ(腐りかけたキノコだと食用でも中毒を起こすこともある)
  ④今日採取するキノコはこれだ!と決めてあまり多くの種類を採らない(自分で自信のあるキノコだけ採取する)
    
上記の採取及び中毒に対する留意点は、橋屋 誠先生の資料から抜粋させていただきました。

天候も良く、とてもさわやかな一日でした。ご参加いただいた皆さんには遠路お疲れ様でした。タンナカ高原には、奥飛騨原水の湧出地があるので、帰りに水を汲もうと勇んでいきましたが、ホースからは出ていませんでした。

41号線に下りてから、ペットボトルに入れて持ち帰りました。  


Posted by tsuru at 20:27Comments(0)