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Posted by naturum at

2017年04月23日

会員特別講座開催

NPO法人 森林総合支援センターの29年度最初の活動として、4月23日(日)に「会員特別講座」を開催しました。開催場所は飛騨市の種蔵です。快晴に恵まれた種蔵において“棚田と板倉の里「種蔵」を巡る7つの謎”という内容で行いました。



講師は飛騨の森ガイド協会の会長であり、NPO法人 森林総合支援センターの飛騨支部長でもある、岩佐勝美さんにお願いしました。最初に種蔵についての説明を聞いて、板倉の里巡りに出発です。

飛騨のガイド協会のホームページは・・・← をご覧ください。



今日のスペシャルとして、普段散策に来てもめったに見る事ができない、板倉作りの蔵の内部を見せていただける事になりました。種蔵地区在住の荒谷さんが板倉作りの事や、内部の構造について解説してくださいます。



内部は二階建てとなっており、写真は急な階段を登った二階部分です。今は地区で使うスノーダンプや公共作業に使う道具がきれいに収納してありました。本来は食料などを貯蔵するための蔵であり、母屋から離れて建てられています。なぜ、離れて建てられているのか?これが七不思議のひとつです。  答えは、母屋から離して建てる事によりたとえ母屋に災害が降りかかっても、食料は残る可能性が高いという事で
万一の場合を考えて離して建てられたのです。



二階には昔の農具(トウミ・バンドリ・草取り器具等々)や手作りスキーに交じって、写真の太鼓がありました。この太鼓は一日の区切りの時に鳴らして住民に知らせる太鼓だったそうです。(時を告げる太鼓です)



荒谷さんと別れてから、岩佐さんの案内で種蔵地区内を散策しました。今度は板倉構造を外から見て説明を聞きました。



飛騨市の旅館組合では外国から訪れたお客様を英語ができる人が案内するガイドシステムができているそうで、今日も外国からのお客様(親子)を案内して種蔵を散策していらっしゃいました。

写真を撮った場所には水が出ていますが、ここは他の場所より高い所!普通水は高い所から低いところに流れるのですが、周りより高い所に水があります。どうして??? というのが、七不思議のひとつです。答えはサイフォンの原理で他より高い場所に水が出ているという事です。





種蔵地区のビューポイントです。写真で見ると母屋よりも板倉の方が多い様です。七不思議のひとつ、家(母屋)よりも板倉がおおいのはなぜ? 現在種蔵には住居が8戸と板倉が21戸あるそうです。  答えは、家を離れて他で住む人が増えてきたからで、財産を保管している板倉だけこの地に残している人が多いから、という事です。



富山よりも気候の関係で木々の生活サイクルがちょっと遅い様で、写真は多分、イタヤカエデの新芽だと思いますが、やっと芽吹いたばかりの様です。



デジカメの顕微鏡モードにすると、小さなコケの群落も異空間に見えます。普段見る花や葉もデジカメばかりではなく、拡大鏡を使って観ると迫力ある景色が拡大鏡を通してみる事ができます。岩佐さんには、双眼鏡・単眼鏡・拡大鏡の使い方も詳しく教えていただきました。
拡大鏡は100円ショップで買えるもので十分使えます。使い方については、参加者特典なのでここでは省略します。



種蔵地区から小道を歩くときれいに残っている、石垣の棚田が観察できる場所があります。七不思議のひとつ、石積みで棚田を作った理由は? 答え、土盛りで棚田を作ると畦畔の傾斜が緩やかになります。石積みだと急傾斜にしても崩れる可能性が低いので、急傾斜の分、耕作地面積が多くなるから、石積みにしたという事です。

岩佐さんが石垣の途中まで登って、出っ張った石の上に足を乗せて説明していますが、出っ張った石が石垣のところどころにあります。七不思議のひとつ、石積みの途中に出っ張った石がある訳は?  答え、石垣の隙間から生えてくる草を採る為にわざわざ足をかけるためのでっぱりを作ったからです。  草が生えると石垣が崩れる可能性が高くなるので、草は厳重に取り除いて維持管理する必要があったのですね。



昼食後、岩佐さんからあると便利な小物を紹介してもらいました。拡大鏡や単眼鏡、双眼鏡もそうですが、岩佐さんが手に持っているのはホースラップ」という物です。例えば、足をくじいたとか、ねん挫などアクシデントがあった場合、テーピングに使います。ホースというくらいで、馬の足に巻いて使う物ですが、これは便利な優れものだと思いました。

使い方は ↓


昼食後は種蔵を後にして、杉原の“まんが王国”へ向かいます。今は閉鎖されている、白木が峰スキー場のゲレンデ後に、カタクリの群生地があるということで、それを鑑賞する目的で移動しました。





カタクリはやや早い様で、つぼみもたくさんありましたが、それでも日当たりのいい場所では先を競うように咲き誇っています。



アズマイチゲも花盛りです。キクの葉のような葉を持つキクザキイチゲも咲いています。
カタクリ・アズマイチゲ・キクザキイチゲは『スプリングエフェメラル』と呼ばれる植物です。春先に花をつけ、葉っぱを花が済んでからちょっとの間付けていますが、あとは地下で過ごす草花の総称を『スプリングエフェメラル』(春のはかないもの・春のはかない命)という意味ですが、春先にほんの短い時間だけ現れる「春の妖精」と言った方が的を得た表現だと思います。

スプリングエフェメラルと呼ばれる植物は他にもあります。いろいろと探してみてください。

昆虫たちでも例えば、ギフチョウは春先にしか見る事が出来ないのでスプリングエフェメラルと呼ぶにふさわしい昆虫だと思います。



他に、写真の「ミヤマエンゴサク」もちょうど花盛りとなっていますし、帰化植物の「ヒメオドリコソウ」も咲いていました。

ちょうど、地区の春祭りが行われていて、にぎやかな笛や太鼓の音が響いている、のどかな山村風景がまんが王国一帯に広がっていました。

リュックサックの中にあると便利な物や心強い物ということで、先に紹介した拡大鏡・双眼鏡・単眼鏡・ホースラップの他に「クマよけスプレー」(カプサイシンの強烈な臭いでクマを追い払う)・「八チノック」(ハチを追い払うスプレー)・サーモス(高温保温ボトル)等々を紹介していただきました。

今日参加いただいた会員の皆様にはありがとうございました。お疲れさまでした。


  


Posted by tsuru at 20:00Comments(0)