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Posted by naturum at

2014年05月25日

自然塾(吉峰にて)3回目

今年度の自然塾は雨にたたられることなく、今回もとてもいい天候に恵まれて自然塾は吉峰で多くの方にご参加いただき開催しました。
5月25日(日)ということで、先週の縄ガ池に続いて、2週連続となりました。



最初に,本日の講師である森林研究所の長谷川幹夫さんから富山県内の樹木について、特徴や多い樹種についても解説していただきました。 長谷川さんは、農学博士であり、森林インストラクターでもあり、富山県内では豊富な知識はトップの方です。







富山県内では無花粉杉の栽培に力を入れていて、森林研究所でその研究や栽培も手がけていらっしゃいますが、今日は温室内の無花粉杉の播種状態や芽が出てきたばかりの、幼樹を観察しました。一番上の写真のスギが親となるスギです。DNAの組み合わせで無花粉のスギができるそうですが、詳細な説明は間違えると困るので省かせていただきます。



県内のスギの他に吉峰では全国のスギが植えてあり、さながらスギの見本林のようになっています。屋久杉も植えてありますが、人間の顔形や肌の色が違うようにスギも少しずつ違いがあるように見えます。



樹木園を歩きはじめて,長谷川さんから聞いたのが,クスノキの“根萌芽(こんぼうが)”という生存戦略です。横に根を張り根の途中から幹を立ち上げて新たに成長していく生存戦略です。アカメガシワをはじめ、いろんな樹種でこの戦略をとっている樹種もあるとのこと・・・動くことのできない樹木はなかなかの知恵者だと感心しました。



またクスノキの葉には“ダニ室”という、ダニを養う部屋があるということです。初めて聞いたのですがクスノキの巧みな知恵に驚くばかりです。
養っているダニは、葉脈に沿ってある“ダニ室”に一匹ずつ入っています。クスノキは常緑樹、落葉するのは6月頃、葉が落ちるときに中にいるダニも落ちてしまって,葉の中に閉じ込められたダニは退治されます。

ダニが異常に発生して葉を食い荒らす事を,葉の中で養う事でコントロールしているようです。植物の方が賢い戦略をとっているのではないかと思う事がよくありますが、ダニ室の存在もその一つとして良さそうですね・・・



スギの見本林の前には県内の代表的な広葉樹も植えられていますが、長谷川さんのお話ですと上手く成長していないところもあるとの事でした。長谷川さん他森林研究所の専門家の方々をもってしても、すべての樹種をコントロールできるということはないのですね。ちなみにこの場所にはケヤキ/ブナ/ホウノキ/カツラ/トチなどが成長しています。



今日のお目当ての一つである,オオデマリの開花です。今日が最後ぐらいで散り染め始めています。集合写真をこの場所で撮りましたが、見つかりません。あれば後日UPします。



スギ林の林床にはシダ類も多く、“リョウメンシダ”“ベニシダ”“ジュウモンジシダ”が特に多くありました。



地層による植生の違いや、カシ類などの原植生が観察できる場所や二次林の構成樹種が見える場所等々・・・専門的な解説を聞きながら歩く吉峰周辺は,新鮮な発見が多くありました。



クモトリソウという他ではあまり見たことのない草本もありました。



ダンコウバイというクスノキ科の樹木は芳香はもちろんですが、葉が恐竜の足跡に似ていませんか?葉の形も樹木毎に特徴がありそれだけでも興味がそそられます。



ウツギについて解説を聞きます。空木と書いてウツギ!字の通り芯が空洞になっている樹木をウツギと呼びますが、タニウツギは伐ってみても中空ではなく、ウツギに似た木ということで付いた名前のようです。

今日は、県内ではトップの長谷川先生の講座ということで、メモもたくさん取りましたが、ブログには書ききることはできません。

目から鱗の一日でした。本日ご参加いただいた皆様にはとても意義深い一日となったことと思います。今日、聞いた内の一つでも二つでも知識として吸収していただけたら講座を開いた価値があると思います。


  


Posted by tsuru at 20:25Comments(0)

2014年05月18日

自然塾2回目(縄ガ池)

とても良い天候に恵まれた5月18日(日)、自然塾第2回目を開催しました。今回は人気がある“縄ガ池”、NHKのお知らせで放送していただいた事もあり、それを聞いて参加していただいた方が10名近くいらっしゃってとてもにぎやかな自然塾になりました。




国道304号線から入る、いつものルートは道路工事中の箇所があり、旧井口村から林道に入り、縄ガ池を目指しました。標高も1000m前後あり、道路脇には消え残った雪が少しありました。
大きな一つの雲が私たちを迎えてくれます。







林道沿いにも、縄ガ池散策路沿いにも,サンカヨウがとても多く群生しています。ちょうど花盛りでもあり、私たちの目を楽しませてくれました。
小さい方の葉に花が咲くというのは、サンカヨウの生存方法なのでしょうが、面白いですね!




ニリンソウも花を咲かせようとしています。ニリンソウは食することができる植物ですが、食べるときは出がけの頃に採取します。ただ、ニリンソウの若い葉と,猛毒のトリカブトの若い葉は見分けがつかないくらいに酷似しています。・・・よほど自信が無い限り、ニリンソウの葉を調理して食べる事は慎んだ方がいいと私は思います。




縄ガ池駐車場はパラグライダーをする人たちにとっても、格好のロケーションということで、この日も大勢のパラグライダーをおこなう人たちで賑わっていました。眼下には福光市街地や散村の景観を楽しむことができます。
この日は晴天で、小矢部市後方の山の向こうに遠く、金沢市街まで望むことができました。



縄ガ池はきれいな水を貯めて周辺の生き物たちにとっては、サンクチュアリ(聖域)のような場所です。ここを訪れる人はきれいな水面を見るだけで心が洗われるような気持ちになる事と思います。



縄ガ池の解説はちょうど良い案内板があったのでこれを参考にしてください。標高が830mとなっていますが、駐車場からは散策路を下りながら歩くので、標高が駐車場よりも低くなるのですね。そういえば相当下ってきたような感じです・・・



縄ガ池の由来についてはこちらの案内板をご覧ください。龍神伝説もあるのが、神秘な池“縄ガ池”です。





ミズバショウは名前の通り、水気の多い場所に生育しています。散策路の写真を見ても判る様に、水脈に沿って多くのミズバショウが生育していますね。ちょうどこの日は、地元の生産森林組合の方々がヤナギの切りたおしやヨシの整理等の作業をなさっていました。
日々のたゆまぬ努力が、ミズバショウや他の動植物を守る事につながるのですね。



石﨑さんに散策路でポーズを取ってもらいました。奥の方にはクサソテツ(コゴミ)もあって、これから食べ頃を迎えるような若い新芽でした。
ミズバショウの花は7分咲きというところでしょうか・・・



五月晴れの空の下、散策している皆さんの顔も自然にほころんできます。今日のような日は散策していても気持ちよく時間を過ごすことができますね!



お昼には、NHKの放送を聞いてご参加いただいた、坂下さんに縄ガ池の伝説(由来)についてお話ししていただきました。坂下さんはあこがれの縄ガ池に来ることができてとても良かったとおっしゃっていました。
今日は遠く氷見市の論田より参加していただきました。ありがとうございます。とても良くご存じなのには驚きました。



縄ガ池で塾を行う時には必ずご神木のスギの前で集合写真を撮ります。今年も記念に一枚撮りました。



遊歩道は図のようになっています。それほどきついコースでもないので、ゆっくり歩けばどなたでも楽しめると思います。春のいいですが、秋の紅葉の頃にもまた訪れてみたい場所ですね。

かくして、自然塾2回目も無事に終了しました。参加いただいた皆さんにはお疲れ様でした。次回は有峰の樹木園です。










  


Posted by tsuru at 20:00Comments(0)