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Posted by naturum at

2016年10月16日

自然塾20161016

久しく自然塾を開催していなかった『タンナカ高原』で、八賀さんを講師として迎え、キノコ講座を行いました。岐阜県で開催するのも今年初めてであり、何度かこの地を訪れている方も、初めての方も期待に胸が膨らみます。



八賀さんは旧姓“細洞”さん、結婚して八賀さんに性が変わりましたが、一児のパパとなった今も変わらずご活躍の様子で何よりです。森林インストラクターとしても経験を重ねてますます、堂に入ったお話しぶりとなりました。



キノコ採取に出かける前に、キノコ採取の留意点等を八賀さんから聞いています。キノコを採取するには八賀さんが手にしているような、カゴが一番いいのですが、準備も大変だったことから参加いただいた皆さんには穴あきの袋を渡して、それに入れてもらう事にしました。



散策開始直後に、大きなナツツバキがありました。独特な樹肌を持つこの木はとても目立ちます。リョウブも大きくなるとこのような樹肌になりますが、それをを愛でる目的で庭園樹として庭に植栽する人も多い様です。



清流のせせらぎが聞こえる散策路を歩き始めました。散策路は手入れされているので、草も少なく歩きやすくなっています。



ツタウルシも紅葉が始まっています。とてもきれいな葉っぱですが、触るとかぶれる可能性が極めて高い葉です。ちょうど手が届く幹に巻き付いているので触りたくなりますので、あらかじめ参加者に周知しておかないといけない、危険な樹種です。

散策路にはこれも有名な毒草『トリカブト』もたくさんあるのでトリカブトについても周知しておくことが大切な事です。ただ、トリカブトは触ったらかぶれるという事は無いので触る事はできますが、飲んだりしたら大変です。

トリカブトにまつわる有名な俗語に「ブス」という言葉があります。 これは、容姿が劣る事を指す侮辱的な言葉ですが、ブスを漢字で書くと
“附子”となります。これは、トリカブトの塊根または支根をとって乾燥させた生薬を意味します。鎮痛・強心剤として用いるが、猛毒のアルカロイドが含まれているため、間違えて口に含むと神経系の機能が麻痺して無表情になる、または苦しくて苦悶の表情になる・・・それはそれは見にくい表情となることから、間違えてトリカブトの毒を口に含まなくても見にくい表情の、特に女性に対して発せられる侮辱的な言葉として「ブス」という言葉が広まったという事です。 ・・・あまり使いたくない言葉ですね・・・



ヤマブドウの実がたくさん残っています。口に含むと甘酸っぱい香りが口いっぱいに広がります。カラマツやスギに巻き付いて、タンナカ高原にはたくさん成長しています。今年は豊作なのか、例年よりも多く実が付いているようです。クマの好物はヤマブドウやクリですが、今日は少しおすそ分けをいただき、味わってみました。



今日のキノコは写真の様に採取できました! 昼食後に八賀さんから個々のキノコについて可食か不食、有毒について同定をしていただきました。このあとの写真は主なキノコについて解説をしていただき、名前を付けたものについて紹介します。



有毒な「ツキヨタケ」です。死に至るほど猛毒ではないのですが、食用のシイタケなどと間違えて食べる人が多いキノコです。



これも有毒な「クサウラベニタケ」です。おいしそうなキノコに見えますが間違えて食べない様に注意が必要です。



写真左が「ホテイシメジ」です。可食ですが、アルコールと一緒に食べると二日酔いになったような症状が長く続きます。写真右のキノコは「オツネンタケ」です。可食ですがホテイシメジ同様、食べるときは食べ合わせに注意しないといけないキノコです。



上の写真は「ブナハリタケ」です。以前、タンナカ高原で実施した時には、一番たくさん採取できた、美味しいキノコです。今日は時期が少し遅かったようで、腐りかけ寸前でした、新鮮だと強い芳香があり美味しいキノコで、野生のキノコでは好きなキノコの一つです。


 
今日一番多く採取できたのはこのキノコ「ハナイグチ」でした。カラマツ林などには特に多く発生します。八賀さんは好きなキノコの上位にハナイグチが入ると話していましたが、キノコ汁やみそ汁などに入れると得も言われぬ美味しいキノコです。



散策路沿いによく発生しているのがこのキノコ「ナラタケ」です。可食ですが、十分加熱して食べるほうがいいという事です。



上の写真のキノコは「ムキタケ」です。ミズナラの幹に発生していたのですが、手が届かない高さのところにもたくさんありましたが、残念ながら採取は叶いませんでした。みそ汁の具にするととても美味しいキノコです。独特の食感もあり、楽しめます。



「アシグロタケ」というキノコです。アシグロタケ自体はゴムの様な感じで、食用には不向きですが、出汁をとるには最適のキノコという事です。



最後に「イボテングダケ」の幼菌を紹介します。猛毒のキノコが多いテングダケ科のキノコです。
ディズニーのアニメに出て来そうな、かわいいキノコで、ツボ・ツバなどキノコの特徴がはっきりわかるキノコが多いのも、テングダケ科の特徴ですね。

キノコは地上に出ている部分は「子実体」と呼ばれるところで、この部分を採取したからといって、キノコが絶えることはありません、地下にある菌が次から次と子実体を発生させるので、食用のキノコは美味しくいただき、有毒キノコはしっかり頭に入れて間違えて食べない様にしましょう。 しかしキノコで一番多いのは、有毒ではないが、食べても不味い種類が一番多いそうです。

有毒キノコは死に至る場合もあります。キノコを採取した時は必ず、豊富なキノコの知識を持った人に同定してもらってから味わうようにしましょう。

今日、参加いただいた皆さんには大変お疲れさまでした。 

  


Posted by tsuru at 17:00Comments(0)