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Posted by naturum at

2017年10月01日

会員特別講座(八乙女)

好天に恵まれた10月最初の日曜日(1日)・・・暑い暑いと言っていた夏も過ぎて今日からもう10月です。 温暖化の影響なのか、10月になっても、汗ばむ陽気の日も何日かあると思いますが、朝晩はめっきり秋らしくなってきました。

道の駅庄川に今日の参加者が集合しその後、全員の車も閑乗寺高原の東屋横の駐車場に移動します。 東屋で本日の講師である、吹上さんから今日のスケジュールや見どころについて説明を受けました。



ここからは、眼下に散居の景観が見渡せます。 今日は樹木特性!その木がその場所に生長している事について、土壌学の観点から解説を吹上さんが行います。




駐車場に車を置いて、参加者の皆さんはまとまって二台の車に分乗して、八乙女山山頂ルートの下まで、林道を車で走りました。全線、舗装路ですが、路肩の草が伸び放題! 広い道路も狭く感じます。八乙女山頂までの遊歩道を歩きましたが、道すがらいろいろな樹木について解説をしながら、山頂を目指します。

『マント群落』 『ソデ群落』 『陽樹』 『イヌと付く樹木の性質』 『ヒメと付く樹木について』 『標高による樹木の住み分け』等々、テーマ別に実際に樹木を見ながら解説します。



山頂へと続く歩道の入り口には、かつて湧水が出ていたであろう事が偲ばれる、“八乙女名水”の立看板がありました。草を少しよけて確認しましたが、この日は名水らしき湧水が出ている気配はありません。



テング巣病に罹患したササがありました。テング巣病というと、サクラが罹患しているのをよく見かけますが、ササ類もテング巣病に罹患する事が多くあります。



ブナ林に入りました。この場所のブナはそれほど大木は無い様で総じて直径が30cm~40cm程度です。 『樹幹流』 『無難な木』 『実の豊凶』等々について解説しました。 『 』内の用語について興味がある方は、ネット検索で確認してみてください。今回は特別講座でもあり、内容については、参加いただいた皆様に特典があるようにさせていただきます。



道宗道』という歩道が整備されています。このルートを使って“トレイルラン”という鉄人レースが近いうちに開催されるようです。今日も何人か、トレーニングしている人と会いましたが、すごくハードなレースの様です。



八乙女山頂の砦跡と大杉の説明を書いた看板です。八乙女山頂付近にも山城というか砦があったようですね! 




八乙女山頂に到着しました!ただ、山頂が二つあって、751mと756mの二か所に山頂の案内がありました。どうも本当の山頂は751mの方らしく、そちらにはさすが木彫りの町(井波)!彫刻された山頂の看板がスギに括ってあります。



551.8mの山頂の方で、集合写真を撮りました。板に手書きした八乙女山の文字もありますので、それが入るように写真を撮りました。山頂まで来たのは初めて・・・という方がほとんどで、いい思い出になりました。




樹木の生長という事も今日のテーマの一つです。樹木には心材と辺材という部分があり、一番外側が樹皮である。樹皮の内側に形成層があり、樹木は形成層が生長して肥大成長を行う・・・という解説の時に見た樹木(カエデの仲間)は内部構造である、心材部分が朽ち果てて大きな洞になっています。(写真上) しかし、生長する部分は形成層部分なので、その場所が元気ならどれだけでも生長を続ける事ができます。

下の写真はフジの大きな切り口の断面です。ご存知の通りフジは他の樹木に巻き付いて成長する、つる性の樹木です。樹木である以上、草本の様に一年で地上部が枯れてしまうという事はありません。樹木の特徴として年輪ができます。 少し見にくいですが、フジの切り口をよく見ていただくと、年輪がいびつです。これは巻き付いている樹木と接している部分が生長する事ができずに年輪がほとんど作られないから、このようないびつな年輪になってしまうんですね!





八乙女山は井波地域の人々にとっては信仰の山でもあり、畏敬の念をいだく特別な山でもあります。井波地域に吹く強い風は、“八乙女おろし”と呼ばれています。

この説明文にはこの近くにある、風穴の事や鶏塚の伝説などを解説してあります。鳥居を立てて祠も祀り、井波瑞泉寺のおひざ元である、この地域の皆さんの強い信仰心を感じる事ができます。




八乙女山山頂から続く道を歩くとすぐに、栃原峠の石塚に着きます。山道は尾根筋に作られていて、片側は井波地域で反対側は利賀地域になります。尾根道の井波側は、スギを植林している人工林が多く、利賀側は広葉樹林が広がっています。両方の地域の人々の暮らしや考え方の違いでまったく異なった山になっていますが、どちらも昔から大切に守られてきた山だと思います。

栃原峠の大杉はひときわ大きな存在感で他を圧倒する感じがします。行きかう人々がこの場所で、キセルをくゆらせたり、塩むすびをほおばったりして、しばしの休憩を楽しんだ様子が浮かんでくる様です。



栃原峠を最後にして朝車を走らせた林道を、閑乗寺高原まで下ります。途中、散村の様子がすばらしくよく見える場所でちょっと一息、今日の講座も無事に終了しました。

天候にも恵まれてとても気持ちのいい一日でした。ご参加いただいた皆様にはお疲れさまでした。








  


Posted by tsuru at 20:00Comments(0)