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Posted by naturum at

2014年06月17日

自然塾(小白木峰)4回目

さわやかな風が吹き抜ける初夏の小白木峰にて,自然塾第4回目を実施しました。標高1,400m超の小白木峰はもちろん、登山口からの歩道沿いは百花繚乱の如く、可憐な花々が私たちの目を楽しませてくれました。



JR高山線の打保駅前に集合して、車を乗り合わせて、白木峰登山口のある『万波高原』まで向かいます。写真は万波高原に着いてから、今日の講師である岩佐さんから、この高原についての説明を聞いているところです。
関西電力が所有していた山林の内、農地として利用できる土地を行政が買い取って,この地で高原野菜(主にダイコン)を栽培していたとのことですが、その時にあった集落も下に下りてしまい、最後に残った一件も昨年には下に下りて,現在は人の営みが途絶えた地区になっています。標高は1,000m超の冷涼な高原は,冬場には厳しい自然環境になる事もあり、このようになる事も致し方ないのだと納得せざるおえないですね。





自然環境を守るために注意を喚起する立て看板も立っていますが、白木峰の登山口からの歩道沿いにはネマガリタケがあり、その採取を目的としてこの地に来る人が多くいるそうです。

純粋に自然を愛し、自然を愛でに、自然に癒されるために訪れる人々とは,目的も明らかに違うので、歩道を歩いていてもそのような人たちは一見して判ります。 “EGO”で行動するのではなく、“ECO”につながる行動をとって欲しいものだと痛切に感じました。



歩道を歩いて行くといろんな植物に出会います。特に白木峰登山道の道沿いは植生が豊かだということを実感します。ちょうどつづら折れの歩道付近で“ミツバオウレン”があり、その説明を岩佐講師が行っているところです。

※先ほどから白木峰登山道と書いていますが、小白木峰から3.5km奥まった所にあるのが白木峰で、白木峰に行く人は必ず通るルートであり、白木峰まで行かないで小白木峰まで行く人も同じ登山道を通るので、白木峰登山道と書いています。



歩道を上っていき、振り返ると連綿と連なる山々が見事な景観を演出しています。ここまで登ったご褒美のように思われるすばらしい景観です。乗鞍岳、御嶽山、槍ヶ岳等々魅力的な山々を眺めることができます。特に今日は天候も良く、遠くの山々もはっきりと見る事ができました。



白木峰登山道は県境を歩くルートです。写真の右側が岐阜県、左が富山県です。岐阜県側にはブナが天然更新した森林を見る事ができますし、富山県側にはスギの植林した形跡が見受けられます。スギ人工林として管理していた様ですが、現在はスギも成長が悪く、こちらも自然の更新により、広葉樹が主体の森に変わりつつあるようです。
二県を股に掛けて歩くということはとても気持ちがいいものですね!



標高が上がり、小白木峰頂上付近に近ずくと樹木も矮小化してくるのが観察できます。厳しい気象条件の下では例えブナであっても、大きく樹高を伸ばすより、低木群と同じ高さで寄り添いながら、生きる道を選択した様です。亜高山帯~高山帯に向かうと見る事ができる、樹木達の生存戦略です。



小白木峰頂上付近ではさらに矮小化した樹木が観察できます。ツゲ類と同じ樹高のブナやナナカマドが、その場所でたくましく生きています。
参加者の背丈の半分ぐらいしか樹高が無いようですね。矮小化した樹木群や風衝草原ばかりなので,視界が開けて大パノラマ景観が楽しめます。



大きな地塘が小白木峰にはあります。トンボの産卵場所であり、カエル等の生息場所としてとても貴重な地塘ですが、少しずつ池が狭くなっている様に思えましたが、生態系の維持にはどんなことがあっても守らないといけない場所ですね。

地塘を前にして,今日の参加者全員で記念の集合写真を撮りました。

                  大自然の前では人間のちっぽけさがよく判りますね!


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
                       ???????????????????
                                               ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

折角の集合写真なのに皆さんの表情が良く判らないという声もありそうなので、皆さんの楽しげな表情を写した写真もUPしておきます。




これから後は今日出合った,花が咲いている植物達をUPしておきます。岩佐さんのお話とメモを確認しながら復習してください。


                【アカモノ】



               【イワカガミ】



             【ウラジロヨウラク】



             【ゴゼンタチバナ】



一輪だけ咲いていた【ニッコウキスゲ】



              【ツマトリソウ】手前の白い花


             【コバイケイソウ】



             【ラショウモンカズラ】



              【ヤシャビシャク】
ブナの幹に寄生している,写真では一番下に見える明らかにブナの葉とは違う葉の樹木(希少種)

他に【マイヅルソウ】 【ツバメオモト】 【ヒメシャクナゲ】等々も見る事ができました。残念ながら写真がありませんが、小白木峰一帯は豊かな植生と雄大な景観が楽しめるすばらしい場所です。

一度ならず二度三度と足を運びたいところです。ちなみに今日の講師の岩佐さんは毎週パトロールでこの登山道を使って、白木峰まで行くそうです。

ご参加いただいた皆さんにはお疲れ様でした。ありがとうございました。

次回は7月27日(日)立山(美女平~室堂平)に行きます。受講料の他にバス代も必要ですが、講師の解説を聞きながらの天空の別世界で楽しく自然塾を開催しますので、ご参加をお待ちしています。
  


Posted by tsuru at 19:37Comments(0)