樹戯夢(じゅげむ)自然塾 宝達山

tsuru

2011年09月18日 22:22

猛暑がいつまでも続く北陸の秋、それでも小高い山では秋の気配も十分感じることができると期待して今日は宝達山で「アサギマダラの観察とマーキング」を行いました。



宝達山は標高630m程度の山ですが、TV局の電波塔が林立していて、富山県の平野部からもそれを見る事ができるので容易に宝達山だと判る山です。石川県の宝達志水町にあり、富山側から石川側まですばらしい眺望が開けています。写真は千里浜方面を山頂から見たところですが、ススキの穂が揺らいでいて秋の風情を感じます。今日は山頂付近の気温が26度ぐらいということで、平野部より3~4度低かったようです。



アサギマダラは日本では唯一、渡りをする蝶として有名ですが、宝達山にはアザミやクルマバハグマ、ヨツバヒヨドリなどアサギマダラが好む植物が多く、アサギマダラ愛好家やマーキング調査をする為に多くの人々が訪れます。マーキングに出かける前にアサギマダラの習性や、マーキングの方法を教えてもらっています。お話は松井さんというアサギマダラに詳しい先生にお聞きしました。



オスとメスの見分け方を解説した写真があります。写真で見るとオスの方がきれいな様ですね  9月はとても多くのアサギマダラが宝達山に集まるようで、1000km以上渡りをするアサギマダラもいるそうです。わずか半年の命というアサギマダラですが、本能で行き先が判るのか、渡りの途中で休める島々があるところを選んで移動するようです。



14名の参加者でしたが、今日は全員の方がアサギマダラのマーキングをする事ができました。グループ分けしてアサギマダラを追いかけました。皆さん童心に返って網を持って走り回る姿はほほえましい感じがしました。



最初の一頭を捕まえてマーキングをして記念写真  鱗粉がないアサギマダラは油性のマジックで羽に文字を書くことができます。



アサギマダラの羽を広げて、「捕獲場所」「捕獲日時」「捕獲者氏名」「雌雄の別」等を書き込みます。書き込んだアサギマダラが渡りを行い、遠く離れた別の場所で捕獲した人がそれを判読して、連絡が入るようになっています。自分が情報を書き込んだアサギマダラが別の場所で捕獲され、案内があればとてもうれしい気分になると思いますね



そんな夢を乗せてマーキングしたアサギマダラを放してやるとき、しばし手の上で別れを惜しんでいるかのように振る舞ってくれる可愛い蝶です。元気に飛び立って遠い地から捕獲されたという案内があればいいなという期待が膨らむ瞬間です。



今日は天候にも恵まれてアサギマダラもそれぞれ捕獲してマーキングすることもできたのでとてもいい一日でした。23度程度の気温がアサギマダラが好む気温ということなので、9月中はまだまだアサギマダラに出会うチャンスが十分あります。宝達山に出かけてマーキングに挑戦してみてください。
ブナ林の中は他よりも数度、気温も低く快適でした。アサギマダラもブナ林の中で羽を休めているようですが、彼らと友達になりたいときは,白いタオルの先端を軽く結んで玉を作り、それをぐるぐる回すとそれに寄ってくるようです。是非お試し下さい。


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